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ここ数年、随分と変わった育毛法が流行ってい
ますね。
「髪を洗うのは三日に一度くらいが良い」
「毎日髪を洗うと皮脂の分泌が多くなるから良くない」
「洗髪は洗剤を使わずお湯だけで充分(お湯シャンプー)」
「皮脂=悪者」という説とは正反対の育毛理論ですが、だからと言って決して正しい訳ではありません。
憶測でモノをいうのはフェアではありませんし、一部なりともなんらかの真実が含まれていればとも思いましたので、私も一通りは調べてみました。
でも、単に時間の無駄でした(笑)。
どれ一つとして科学的な根拠はありませんでした。残念ながら、すべてが憶測と誤解、そして思い込みです。
上記の説はすべて『育毛 = 皮脂を守る』という前提に基づいて展開されています。
シャンプーを使うと皮脂を洗い流し過ぎてしまう
↓
皮脂が取り除かれると人の体は防御機能を働かせ、足りなくなった分を補おうと皮脂を分泌させる
↓
結果的に過度に皮脂の分泌量が増えすぎて、頭皮の汚れや皮膚呼吸の妨げのもととなる
この説は、残念ながら、間違いです。
確かに、皮脂膜は人の体にとって「防護膜」ですからなくてはならないものですし、過剰に洗い流してしまうと人体の防御機能が何とかその分を補おうと
します。そうすると、結果的に分泌量が増えてしまいます。これは、事実です。
しかし、こんなことを解決するのは非っ常〜に簡単なことです。
「必要以上に皮脂を取り除かない、良質な洗髪剤を使えばいい」
という、たったそれだけのことです。ちょっと考えれば誰にでも分かる簡単なことですよね(笑)。
頭皮も含め皮膚は大体が28層で構成されていて、毎日一層ずつ、下から新しい「基底層」というのがつくられています。
ですので、もっとも古い層が肌の表面上(角質層の一番上)に押し上げられており、それが毎日「垢」となってはがれ落ちていきます。
毎日の洗髪をしないということは、古く不要になった角質や皮脂を残したままとなりますので、頭皮の汚れを放置したままとなります
。
そうすると一体、どうなるのでしょうか?
まず、高いお金を出して買っている育毛剤などは意味がなくなってしまいます
。
例えばですが、女性がお化粧をする場合には、何でもつければ良いというものではありません。つける順番というものが非常に大事です。
たとえば、肌に潤いを「補給する」化粧水を、肌に潤いを「とじ込める」クリームの後に使ったら、当然クリームにブロックされて化粧水は意味を成しませんよね。
これと同じことで、洗髪をせずに、つまりは体の防御壁である皮脂膜をそのままに育毛剤を使用したとしても、浸透などするはずがないんです。
もしもまだ納得できないようならば、絵の具を考えてみて下さい。肌に絵の具が付いてしまったとしても、絵の具が皮膚の奥まで浸透していくようなことって決してないですよね。
これはすべて皮脂膜の働きです。皮脂膜は非常に大切なものではあるのですが、外から肌に栄養を補給する際には邪魔なものともなるんです。
ですから育毛剤を使用される際にも、洗髪をして余分な皮脂を落とした上でなければずいぶんと無駄になってしまうんです。
また、「お湯だけで皮脂が落ちる」という説が本当なら、台所の皿洗いも風呂場の掃除もすべて洗剤など使う必要がないとは思いませんか?
例えばですが、真っ白なお皿を一ヶ月間、毎日の食事に使用したとします。しかしそのお皿を洗うのに、一切洗剤を使わずお湯だけで洗っていたとしたら、お皿の色ツヤはどうなることでしょう?
お湯シャンプーというのは結局それと同じ事です。
しかも無理に「お湯」だけで汚れを落とそうとするので(結局落ちませんが)、大半の方は敏感な頭皮をこすりすぎたり、お湯を熱くしすぎたりと逆にダメージを与え続けているのです。
「いや、続けているうちに皮脂の分泌量が間違いなく減った」とおっしゃる方も実際にいらっしゃいます。
ええ、それは確かに減るでしょう。
しかしそれは、古い皮脂がろくに洗い流されず頭皮にこびりついたままとなっているので、人の体がやむなく防御機能を働かせてそうしているだけのことです。
健康というものに関して、潔癖すぎる事も問題となりますが、だからといって「不潔」が「善」であることなどあり得ません。
そういった方の頭皮をマイクロスコープで調べると、実際に古い角質(垢)がびっしりとこびりついていています。
しかも、当人達は慣れてしまって分からないようですが、回りの人間からすると夏などは非常に「臭く」て不快です。
なお、下記のようなことを言われる方もいらっしゃいます。
・昔の女性は毎日洗髪など出来なかったが長く美しい髪を保っていた。
・犬猫などは毎日洗髪などしなくとも禿げたりしない
これらは全くの誤解です。
誤解どころか、今ではこんなことを育毛業者までもが言っているのですから、それはもう無責任の極み、不誠実の極みでしかありません。
『枕草子』や『源氏物語』などを読まれた方であればご存知かと思いますが、昔の女性はろくに洗髪できない状況下で髪を伸ばさざるを得なかったので、多くの方が若くして薄毛や禿げに悩まされていました。
紫式部なども、二十代にして髪の悩みを抱えていたのは有名な話です。
昔の書物に創作の部分も含まれているのは確かですが、だからといって若い女性が「抜毛」の悩みなど創作するはずがありません。
昔の女性が普通に抜毛・薄毛に悩んでいたからこそ、当たり前にそういった記述が出てきているのです。
それを、絵巻物だけを見て「昔の女性は・・・」と思い込むのはあまりにも乱暴です。
また動物に関してですが、まず犬猫には汗腺というものが肉球部分以外にはありません。「汗」というものをかかないのです。そのため皮膚の汚れ方が人のそれとはまったく異なりますし、同一面積あたりの体毛の量などもまったく違いますので、比較自体が
まったく意味を持ちません。
ちなみに、ここまで説明してもまだ納得されない方もいるかと思います。
そういった方々の言い分としては、
「そんなことを言っても、私は実際にその方法で髪が生えきましたよ」
といったところではないでしょうか。
確かにおっしゃるとおり、そういった方法で髪が生えてきた方がいてもおかしくはありません。
しかし、その原因は三日に一度の洗髪のせいではありません。育毛剤のおかげでもありません。
そんな不潔にしていて、頭皮に悪い状態であっても髪が生えた理由というのは、単に市販のシャンプーを使わなくなったせいでしかありません。猛毒である成分が含まれている市販のシャンプーを使わないというだけで、三日に一度の洗髪という悪条件下でも、中には髪が生える人が出るくらいに頭皮は楽になる、という事なんです。
でも、正しい洗髪剤を選びをするだけで、さらに髪は増えるんです。しかも毎日清潔に気持ちよく
生活も出来ますし、周りの女性たちに嫌われる事だってありません。
そんな育毛法を妄信し続けるというのは、ナントも勿体ない話ではないでしょうか。
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